ベトナム航空でANAマイルは貯まる?積算率と特典航空券の落とし穴
ベトナム旅行や東南アジアへの出張を計画する際、多くの旅行者が直面するのが「ベトナム航空に乗ってANAマイルが貯まるのか」という疑問です。航空連合(アライアンス)の基本知識を持つ人ほど、ANAが所属する「スターアライアンス」と、ベトナム航空が所属する「スカイチーム」の違いに気づき、「別のアライアンスだからマイル積算は無理だろう」と諦めてしまいがちです。
しかし、航空業界の常識を鵜呑みにしてスルーしてしまうのは非常にもったいない選択です。ANAとベトナム航空はアライアンスの枠組みを超えた個別の包括提携を結んでおり、条件さえ満たせば搭乗マイルをしっかり貯められるだけでなく、ANAマイルを使った特典航空券の発券先としても極めて優秀なパフォーマンスを発揮します。本稿では、知っておくべき予約クラスごとの積算率から、ステータス修行僧が見落としがちな落とし穴まで、現場の最新データをもとに徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ベトナム航空はスカイチーム所属だが、ANAとの個別提携によりANAマイレージクラブへのフライトマイル積算および特典航空券の相互利用が可能。
- 要点2:格安エコノミー(T/E/P/A/Gクラスなど)はマイル積算率が0%であり、ANAの「プレミアムポイント(PP)」も一切加算されない点に厳重注意が必要。
- 要点3:ANAマイルによるベトナム航空特典航空券は、燃油サーチャージ負担を低く抑えつつビジネスクラスを押さえられる東南アジア屈指の穴場ルート。
【疑問を即解決】スカイチーム加盟のベトナム航空でANAマイルは貯まるのか?
結論から申し上げますと、ベトナム航空のフライトに搭乗してANAマイルを貯めることは完全に可能です。同様に、手持ちのANAマイルを使ってベトナム航空の特典航空券を発券することも日常的に行われています。
航空業界には「スターアライアンス」「ワンワールド」「スカイチーム」という世界3大アライアンスが存在し、通常は同一アライアンス内でのみマイルの相互加算が行われます。ベトナム航空は2010年にスカイチームへ正式加盟したため、ルール上はデルタ航空や大韓航空と同じグループに属しています。
では、なぜANAマイルが貯まるのでしょうか。その理由は、2016年10月に開始されたANAホールディングスとベトナム航空の資本・業務提携にあります。ANAがベトナム航空に約8.8%を出資したことを契機に、コードシェア便の運航やマイレージプログラムの包括的提携がスタートしました。アライアンスの垣根を越えた二社間提携により、現在もANAマイレージクラブ会員はベトナム航空の運航便でマイルを獲得できる特例的な環境が整っています。

【予約クラス別一覧】ベトナム航空ANAマイル積算率と加算対象チケットの見分け方
ベトナム航空に乗れば無条件ですべてのフライトマイルが加算されるわけではありません。マイル加算の成否を分ける最大の鍵は、航空券に記載された1文字のアルファベットである「予約クラス(ブッキングクラス)」です。
航空券は同じエコノミークラスであっても、購入価格や変更条件の柔軟性によって細かくクラス分けされています。公式発表資料に基づき、ベトナム航空(VN運航便)搭乗時におけるANAマイルの積算基準を整理しました。
| 搭乗クラス | 対象の予約クラス | ANAマイル積算率 | 編集部の見解・注意点 |
|---|---|---|---|
| ビジネスクラス | J, C, D, I | 125% | 区間基本マイレージに対し25%のボーナス。長距離路線での獲得効率が極めて高い。 |
| プレミアムエコノミー | W, U | 100% | 出張手配でも選ばれやすいクラス。区間マイルが100%満額付与される優良枠。 |
| エコノミークラス(普通運賃〜中級) | Y, B, M, S, H, K, L | 50% 〜 100% | Y/B/Mは100%、S/H/K/Lは50%〜70%積算。公式サイトの標準プランで多く見られる設定。 |
| エコノミークラス(格安・ツアー) | Q, N, R, T, E, P, G, A など | 0%(積算不可) | 格安航空券比較サイト(OTA)や旅行会社の格安ツアーで発券される大半がこれに該当。 |
ここで旅行者が直面する最大の罠が、低価格チケットの積算率0%問題です。ExpediaやTrip.comなどのオンライン旅行会社(OTA)で購入した最安値チケットや、パッケージツアーの包括運賃(GクラスやAクラスなど)は、提携加算の対象外とされています。「ベトナム航空に乗ったのに1マイルも入らなかった」という不満の声がSNSで見受けられるのは、この予約クラスの確認を怠ったケースが大半を占めています。
【修行僧は要注意】プレミアムポイント対象外という最大の落とし穴
ANAマイレージクラブの上級会員(プラチナ、ダイヤモンド、スーパーフライヤーズカード=SFC)を目指してフライトを重ねるいわゆる「修行僧」にとって、最も致命的な注意点が存在します。
それは、「ベトナム航空運航便の搭乗では、プレミアムポイント(PP)が1ポイントも付与されない」という絶対的なルールです。
ANAの公式規定において、ステータス判定用のプレミアムポイントが貯まるのは「ANAグループ運航便」および「スターアライアンス加盟航空会社運航便」に厳格に限定されています。ベトナム航空は個別提携を結んでいるものの、スターアライアンスの加盟社ではありません。そのため、フライトマイル自体はANAのマイル口座に加算できても、上級会員への昇格指標であるプレミアムポイントの算出対象からは完全に除外されます。
さらに、コードシェア便マイルの扱いにも留意する必要があります。仮にANA便名(NH便名)でチケットを購入していたとしても、実際の運航がベトナム航空である場合、プレミアムポイントは一切加算されません。ANAのステータス獲得を目的に搭乗する計画であれば、運航会社がANAである便を選択しなければ重大な計算狂いを招くことになります。

【特典航空券の真価】ベトナム航空必要マイル数とお得な発券テクニック
搭乗マイルの積算においては制約が目立ちますが、反対に「貯めたANAマイルを使う」局面において、ベトナム航空はトップクラスの費用対効果を叩き出します。
ANAマイレージクラブの「提携航空会社特典航空券」制度を利用することで、ANAの公式ウェブサイトから直接ベトナム航空の特典航空券を発券できます。かつては電話窓口でのみ受け付けていた時代もありましたが、システムの改善により現在はオンラインで空席照会から発券まで完結します。
日本〜ベトナム間の往復必要マイル数は、ANAのゾーン制チャート(ゾーン3:アジア1)に基づいて算出されます。
- エコノミークラス往復:35,000マイル〜
- ビジネスクラス往復:60,000マイル〜
このルートが陸マイラー界隈で絶賛されている最大の理由は、燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)の負担を劇的に抑制できる点にあります。国際的な燃料価格高騰に伴い、日系キャリアの直行便では往復数万円の燃油代や諸税が請求されるケースが頻発しています。しかし、ベトナム航空の提携航空会社特典航空券では、発券時の追加徴収額が抑えられる傾向が強く、現金支出を最小限に抑えながらフルフラットシートのビジネスクラスを確保できる強力な選択肢となります。
ハノイやホーチミン線には最新鋭機のエアバスA350-900やボーイング787-9/10が投入されており、シートスペックや機内サービスのクオリティも申し分ありません。60,000マイルで極上の長距離ビジネスクラス体験を手に入れられるルートは、世界的に見ても希少価値の高い使い道と言えます。
【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアルなトラブル事例
現場レベルで旅行者が遭遇しやすいトラブルや、ユーザーコミュニティで交わされる生の体験談を検証すると、共通する失敗パターンが浮かび上がってきます。
旅行関連のQ&AサイトやSNSで最も相談件数が多いのが、「空港カウンターでANA番号を伝えたのにマイルが自動反映されない」という事象です。日系航空会社同士であれば搭乗から2〜3日で反映されるのが通例ですが、アライアンスを跨いだ個別提携便の場合、データ照合に2週間から1ヶ月程度のタイムラグが発生することが珍しくありません。
さらに深刻なのは、現地の空港職員が提携内容を正確に把握しておらず、チェックイン時にANAマイレージ番号の登録を拒否されたり、入力が正しく完了していなかったりするケースです。こうした事態を防ぐための実践的防衛策は以下の通りです。
- 航空券購入時、または搭乗前のオンラインチェックイン画面で事前に「NH(ANAマイレージクラブ番号)」を紐付けておく。
- 搭乗券の半券(Boarding Pass)と「eチケットお客様控」をマイルが口座に反映されるまで絶対に破棄しない。
- 搭乗日から14日以上経過してもマイルが反映されない場合は、ANA公式サイトの「提携航空会社便の事後登録手続き」から自ら申請を行う。
事後登録の申請可能期間は搭乗後6ヶ月以内と定められています。紙の搭乗券がないと事後登録の受付すら通らない場合があるため、物理的な証拠を残しておくことが自衛の鉄則です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
行動経済学やマイレージ運用の最適化視点から分析すると、ベトナム航空とANAマイルの組み合わせは、旅行者の目的によって評価が180度分かれます。自身の状況に合わせて以下の基準で選択してください。
【積極的に活用すべき人】
- ANAマイルを使って低コストで東南アジアに行きたい人:必要マイル数と諸税のバランスにおいて、ベトナム航空のビジネスクラス特典航空券は最高峰のパフォーマンスを提供します。
- 中〜高価格帯のエコノミーやビジネスで出張・旅行する人:積算対象の予約クラス(Y/B/MやJ/C等)であれば、スカイチーム所属便でありながらまとまったANAマイルを着実に回収できます。
【慎重になるべき・避けるべき人】
- SFC修行やANAステータス維持が目的の人:どれだけビジネスクラスに乗ってもプレミアムポイントは1ポイントも加算されません。修行目的であれば迷わずANA運航便を選ぶべきです。
- OTAで最安値チケットのみを買い回る人:0%積算の格安予約クラスに当たる確率が極めて高く、マイル獲得の期待はほぼ裏切られます。その場合はベトナム航空独自の「ロータスマイル」に加算するか、マイル獲得自体を割り切る判断が必要です。なお、ロータスマイルとANAマイルの相互直接移行はできません。

【ベトナム 航空 ana マイル】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ベトナム航空のフライトでANAのプレミアムポイント(PP)は貯まりますか?
A1:貯まりません。フライトマイル自体は提携により加算可能ですが、ステータス判定用のプレミアムポイントはANA運航便およびスターアライアンス加盟航空会社便に限定されています。スカイチーム所属のベトナム航空は対象外です。
Q2:旅行会社(OTA)で購入した格安航空券でもANAマイルは貯まりますか?
A2:予約クラスによって異なります。低価格なセール運賃やパッケージツアー用のクラス(T、E、P、G、Aなど)は積算率が0%に設定されており、ANAマイルは付与されません。事前にeチケット控に記載された予約クラスのアルファベットを確認してください。
Q3:ベトナム航空の「ロータスマイル」をANAマイルに統合・移行できますか?
A3:直接のポイント移行や口座統合は不可能です。搭乗時に「ANAマイルを貯める」か「ロータスマイルを貯める」かのどちらか一方を選択して登録する必要があります。
Q4:ベトナム航空に乗った後からANAマイルを事後登録できますか?
A4:可能です。搭乗後14日以降、6ヶ月以内にANA公式サイトの「提携航空会社便 事後登録」ページから手続きを行えます。その際、「搭乗券の半券」および「eチケットお客様控」の情報入力・画像添付が必要となります。
Q5:ANAマイルでベトナム航空の特典航空券を予約する方法は?
A5:ANAの公式ウェブサイトから予約できます。ログイン後、「提携航空会社特典航空券」の予約画面から出発地と目的地、日程を指定して空席照会を行ってください。空席があればそのままオンライン上で発券が完了します。
まとめ:提携ルールを正確に把握して無駄なくマイルを獲得しよう
「ベトナム航空はスカイチームだからANAマイルは関係ない」という思い込みは、賢いマイラーにとって大きな機会損失を意味します。二社間の個別提携により、予約クラスに応じた確実なフライトマイル加算が可能であり、特典航空券においては燃油諸税を抑えた東南アジア渡航の強力な切り札として機能しています。
一方で、低価格運賃におけるマイル積算不可の壁や、プレミアムポイントが加算されないといった提携特有の明確な境界線が存在することも事実です。航空券の手配時には必ず「予約クラス」を確認し、搭乗券の半券を保管する基本的な自衛策を徹底してください。複雑に見える航空アライアンスの例外規定を正しく理解し、賢明なマイル戦略を実行していきましょう。 (出典: ベトナム 航空 ana マイル(Yahoo!ニュース))